Flex勉強会第163回@福岡に参加してきました


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2月25日(土曜日)に地元福岡で開催された、RIA / AIR の勉強会「Flex勉強会第163回@福岡」に参加してきました。

この日のセッションは、

『 Flex/AIRを使ったスマートフォンとタブレットアプリケーション開発について』
by AKABANA 有川 榮一 氏 twitter: (@_a1j_)
http://akabana.info/

『 Flash, AIR を使用した展示系コンテンツの開発について』
by 合同会社デジフィ 吉田 和隆 氏 twitter: (@mousepancyo)
http://www.digifie.jp/

『AIR for Andoridで高速演算!ネイティブ拡張(ANE)とNDKによるチューナアプリ開発について』
by 九州大学大学院 修士課程 直江 憲一 氏 twitter: (@kirl0076)

『RIA開発におけるサービス開発の現状について』
by AKABANA 有川 榮一 氏 twitter: (@_a1j_)
http://akabana.info/

『ライトニング・トーク』

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1.『Canvas Note ~HTML5 Canvasを手軽に試すツールを作ってみました~ 』
by 株式会社 サイドビジョン おおくぼ ひろあき 氏 )
http://www.inazumatv.com/contents/

2.『AIR for FeliCa? について 』
by アトリエのどか まどろみ はじめ 氏 twitter: (@h_madoromi)

Fukuoka NFC Lab 仮拠点

3.『RTMFPを使ったiPhone/AndroidとFlashの連携について 2』
by 合同会社デジフィ 吉田 和隆 氏 twitter: (@mousepancyo)
http://www.digifie.jp/

4.『 Unity3DとFlashを連携してみました』
by AKABANA 有川 榮一 氏 twitter: (@_a1j_)
http://akabana.info/

と、盛りだくさんの内容でした。

中でも、有川さんの node.jp や Play Framework について、Unity と Flash(Stage3D)の連携や、AIR Kinect の話とデモは非常に興味深い内容でしたので、興味がある方は有川さんのブログ( http://akabana.info/ )をご覧になるといいかと思います。

また、九州大学大学院生の直江さんも ActionScript と他の言語を速度について比較し、Alchemy や ANE を使用して ActionScript を高速化させるデモも行われました。
この直江さんは、中学2年生の時から Flash を触っていたという猛者で、中学二年生の頃にはちんこしか触ってなかった僕からみれば驚きのデジタルネイティブぶりでした。

ライトニングトークでは、イナズマtvログ( http://www.inazumatv.com/contents/ )の大久保先生による「HTML5 Canvas を ブラウザ上でコードを貼り付け実行させるツール」のデモや、九州大学の大学院生まどろみはじめさんによる NFC(近距離無線通信 Near field communication )の話などもありました。

そんな濃い内容の中、僕も少しばかりセッションでお話しさせていだきましたので、その時の内容を以下に記載しておきます。

 
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『Flash, AIR を使用したインスタレーション(展示系)コンテンツの開発について』

 
展示コンテンツとは何かというと、簡単にいえば「科学館」や「博物館」や「記念館」または「工場の情報検索コーナー」などに設置される常設の展示と、展示会やイベントなどで使用される特設の展示コンテンツがあります。
これらの展示コンテンツを Flash ベースで開発するときの注意点や利点についてお話しさせていただくとともに、実際に制作した事例を紹介
させていただきます。
あと、技術の進歩に伴うこれからの展望についても少しだけ触れてみたいと思っています。

1. 展示コンテンツとWebコンテンツの違いってある?
2. 展示コンテンツにおける Flash プラットホームの利点
3. 実績事例紹介
4. 展示コンテンツにおける今後の展望など

 
 
1. 展示コンテンツとWebコンテンツの違いって?

Flash で展示コンテンツを作る場合も基本的には Web コンテンツを作るのと変わりません。
ただ、ちょっとだけ展示コンテンツ独特の動作環境などに合わせるためのコツがあります。

展示コンテンツ独特の動作環境とは…

・PC を起動した時から終了させる時まで一日中動かす必要がある
→ デバッグ時にメモリ管理やCPUの使用状況などをしっかりチェックして安定した動作を確保。

・画面サイズが無駄にデカい
→ 大きな画面(例えば100インチとか)で見栄えがするようなデザインやレイアウトをする必要がある。
また、展示什器のデザインとの整合性も考える。
画角(解像度)が大きいと素材の容量が肥大化したり、制作もし辛いことが多いので、そのあたりを
最初の設計の段階から考慮して作業を進める必要がある。

・タッチパネルや変なデバイスを使った UI にしないといけないことが多い
→ この点が展示コンテンツの面倒でもあり面白いところなのですが、Flash だけでは実現できない
機器制御などもあるので、あの手この手を考える必要がある。(これが一番楽しい)

・ほとんどが実機だけで動作すればよいのでその辺は楽
→ 「IE爆発しろ」などの呪いの言葉をはかなくてもいいので楽です。

・納品時の現場作業がつらい
→ すいません。愚痴です…

 
 
2. 展示コンテンツ制作における Flash プラットホームの利点

展示施設の常設のデジタルコンテンツは、以前は C# や VB.NET または Director などで作られたものが多かったのですが、5~6年ほど前から Flash で作ることが多くなり、今では結構な数の展示コンテンツが Flashベースで作られています。これは、Flash で作ること何かと便利なことが多いからだと思うので、その辺をまとめてみました。

・なんとなく工数を少なくできる気がする
→ これは人によるとは思いますが、僕の経験では デザインからコーディングまでを1人でこなせれば Flash でのコンテンツ制作は他の言語で開発するより工数を少なくできると思っています。でも見積もりは下げません。

・PC(Windws)の OS が変わってもほぼ正常に動作する
→ 展示施設の常設コンテンツは、通常7~8年、長いものだと10年間は使用されます。
ただし、ソフトを動作させる PC の耐用年数は3~5年ですので、この間に Windows の OS がバージョンアップしてしまうことも多々あります。この時、C# や Director の Extra などで OS 依存の dill などを使用していると、OS が変わると動かなくなる場合があります。
その点を考えると Flash だと、FlashPlayer(実行環境)が OS をサポートし続ける間は、動かすことができるのです。
希に Player のバージョンが変わると挙動がおかしくなる時もありますが、その時も何故動かないのかという問題点は追いやすいと思います。

・動画のハンドリングが楽
→ 特に動画のハンドリングは何もしなくても表示はできるというくらい楽なうえに、一日中動かし続けても安定しているので便利です。
以前 ハイビジョンのビットレート約50Mbps の映像を一日中ループさせる映像システムを制作したことがあるのですが、なんの問題も出ませんでした。
カメラでキャプチャした映像を施設内のネットワークに繋がった PC 間でやりとりする必要がある場合も、RTMFP を使用すればアプリケーションレベルでマルチキャストができたりするので、サーバを設定する必要もなく非常に便利です。

以上、思いつく利点を3点ほど挙げてみたのですが、これだけではなく、実際に制作をしているとこれ以外にも利点があると感じることかと思います。

 
利点を挙げると「じゃぁ欠点は?」となるのですが… まぁそれは… また別の機会にお話しするということにしておきましょう。

 
 
3. 制作事例紹介

じゃぁ実際にどんなコンテンツを作っているの?と思われる方も多いと思いますので、実際に制作した事例をご紹介します。

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(実際に納品させて頂いた案件から事例を説明させていただきましたが、ここでは大人の事情で割愛させて頂きます)

 
 
4. 展示コンテンツにおける今後の展望など

先ほどお見せした実績事例はわりとスタンダードで地味な感じのものが多かったのですが、今後は技術的にもいろいろとおもしろいことができそうな感じになってきています。
特に Kinect などのモーションキャプチャーデバイスを使用したコンテンツと、モバイルデバイス(iPhone)などを使用したコンテンツの相談は去年くらいから数多くあったりしますので、今回は Kinect の小型版のようなデバイス Xtion と iPhone を使用した 簡単なゲームのデモを作ってみましたので、それを紹介させていただきます。

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Xtion & iPhone を使用した 簡単なFlashゲームデモの映像

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以上が僕のセッションの内容です。

この Flex勉強会@福岡、次回は夏頃の開催を目指していますので、Flex や ActionScript ベースでのアプリケーション開発に興味がある方はぜひ参加してみてくださいね。